2016-01-17

オール・チアリーダーズ・ダイ


2013年製作のアメリカ映画。よくあるC級お色気コメディ・ホラーとは一線を画すラッキー・マッキー監督の痛快作だ。

ストーリー
高校でチアリーダーNo.1のアレクシスが練習中の事故で死んでしまう。比較的地味な女の子だったマディはある決意を秘めて空席ができたチアリーダーの選抜試験に挑戦・合格しチアリーダーズの一員になる。

マディの目的は彼女をレイプしたアメフト部のリーダー・テリーに復讐をすること。まずはチアリーダー達の信頼を得てチアリーダーズとアメフト部男子との間に溝を作る作戦だ。

ある夜彼女の目論見通り双方の間に諍いが起こるのだがチアリーダーズの車をテリー達が煽った結果、車ごと崖下へ転落したマディ、トレーシー、マーサ、ハンナの4人が死んでしまう。

その場に居合わせたマディの元恋人リーナは4人を車から救い出し自慢の魔術を使って彼女達を蘇らせる事に成功する。怒りに燃えるチアリーダーズの復讐が開始されアメフト部男子を次々に殺害していくがテリーの猛烈な反撃で苦戦を強いられる。

レビュー

ホラー映画好きの信頼が厚いラッキー・マッキー監督がまさにやりたい放題のコメディ・ホラーを作ってしまった。美人でスタイル抜群のチアリーダー達をお色気たっぷりに見せてくれる半面、グロシーンは若干控えめだがブラックで残酷な描写は当然忘れていない。

復活したチアリーダーズはバンパイアに近い存在になる。人間の血を吸ったり皮膚から吸収したりして活力を維持するのだ。また復活の鍵となった魔術だが発光する不思議な石が彼女達の体内に入り込みその身体を動かすという面白い設定だ。石を制御できるのはリーナだけで彼女の喉元にも紫に光る石が食い込んでいる。

ストーリー的には結構人間関係が入り組んでいて分かり辛い部分がある。若い男女の恋愛事情が細かく描かれているので青春ホラーと言って良いだろう。またマディとリーナの同姓愛がストーリー上のキーポイントになっている。性格が悪くて狡猾なアメフト部のテリーが後半反撃に出てくるのでラストまでしっかり盛り上がる。

チアリーダーズの格好良さをスローモーションたっぷりにこれでもかと見せてくれるサービス精神に脱帽する。さすがラッキー・マッキーと彼のファンならニヤニヤしながら鑑賞できるだろう。軽めで面白いホラーを観たい人にはお勧めの作品だ。ちなみにエンディングで「続編あり」的な表現が出るものご愛嬌だった。