2016-10-22

スタング 人喰い巨大蜂の襲来


2015年製作のアメリカ・ドイツ合作映画。ジャケット画のイメージ通りB級昆虫パニックだが思いのほか出来が良くなかなか楽しめる佳作だ。

ストーリー
ケータリング会社を経営するジュリアは新米従業員のポールと郊外にある古屋敷の主からパーティの仕事を引き受ける。屋敷の周りは農場と野原が果てしなく続く限りない田舎だ。

主の友人が集い屋敷前の庭でパーティが始まるが庭には何故か大きい蜂がちらほら飛んでいる。そのうちに客の一人が蜂に刺されて猛烈に苦しみ始め突然身体を食い破って体内から巨大な蜂が飛び出してくる。

パニックになり逃げ惑う人々を地面の巣穴から湧き出した蜂の群れが襲いかかり刺された人間は次々と巨大蜂に変身していく。ジュリアとポール、主親子や客の一人である市長はからくも屋敷内に避難する。

果たして彼らはこの蜂地獄から無事に脱出することができるのか・・・。

レビュー
ストーリーは上記の通り至極単純だ。蜂の襲撃は昆虫パニック映画の上位にくる定番だが予想に反して健闘している。まずテンポが良くて話がサクサク進むので飽きたりツッコミを入れる暇がない。尺も87分と短めなのも効を奏している。

蜂が人間に寄生し体内を食い尽くして外にバリバリ出てくる設定も面白いが寄生した動物の大きさまで巨大化する点がモロに「エイリアン」のパクリとは言え新鮮な感じがした。お約束通りちゃんと犬に寄生したら犬の大きさになっているのだ。

登場人物も個性があり特にポールが「死霊のはらわた」のアッシュを思わせる活躍ぶりで好印象だった。最初はポールに鼻も引っ掛けないジュリアが徐々に彼に惹かれて行くと言うラブストーリーまでごく自然に織り込まれている。

他にも客の市長役にランス・ヘンリクセンが扮していて、かなりお年を召されて最初誰だか分からなかったが気骨のある老紳士を好演している。思わず「エイリアン」つながりの狙ったキャスティングかと深読みしてしまった。

特殊効果に関してはCGと特殊メイクを上手く使い分けている感じだ。蜂の全身や飛んだりするシーンはCGがメイン、部位のアップや人体を食い破るシーンは特殊メイクがメインでそれぞれ技術的なレベルはかなり高く満足のいくものだった。

ラストは犬→人間の次はそうきたかというオチでニヤリ。こういう田舎には普通います、彼らは。作品を観た感想としては過大な期待は禁物だけどグロさは十分だし、ちょっとオフビートなノリで笑いありラブストーリーありのお勧め品だ。