2016-11-12

ゾンビ・ガール


2014年製作のアメリカ映画。監督は「ピラニア」「ハウリング」のジョー・ダンテ、主役は故アントン・イェルチンが演じている。

ストーリー
ホラーマニアのマックスはホラー・グッズ店に勤めているがある日注文した覚えのない荷物が届き、中には「悪魔のジーニー」とタグの付いた悪魔の姿をした置物が入っていた。タグには「あなたの願いを悪魔の力で叶えます」とも書いてある。

ある夜マックスの店に恋人のエヴリンが訪れ二人は愛し合うのだが、エヴリンが「ずっといっしょにいて。永遠に離れないで。」と言った時悪魔のジーニーが不気味に赤く光る。どうやら悪魔はエヴリンの願いを聞き入れたようなのだが・・・。

エヴリンは自然保護に熱を入れている現実的な女性だが怒り出すと手がつけられない面があった。二人でアイスクリーム店に行った時、ホラー好きの女店員オリヴィアとマックスが意気投合するとエヴリンはオリヴィアを罵り店を飛び出す。

マックスはエヴリンが徐々に負担になり義兄弟のトラヴィスに相談するが、エヴリンに嫌われていたトラヴィスは無責任にも別れろとアドバイス。彼は覚悟を決めて彼女を公園に呼び出すがエヴリンが路上でバスに跳ねられ死んでしまう。

大きなショックを受けたマックスだがその彼の心を癒してくれたのが偶然再会したオリヴィアだった。ホラー好き同士の二人は急速に惹かれ合うが、そんな時甦ったエヴリンが墓の中から這い出してマックスの元に戻って来てしまう。

レビュー
軽いノリとスマートにまとめたストーリーで終始テンポ良く進むライトな青春ホラー映画だ。演出はベテランのジョー・ダンテだけあって安心して観ていられる手堅いものだ。ゾンビ系なのにグロいシーンはほとんど無く敢えて監督が意図したポイントなのかも知れない。

ゾンビ化して甦ったエヴリンだがフレッシュなのは最初の頃だけで徐々にいかにもゾンビらしい外観に変化して行く。口から防腐剤を大量に吐き出したりヨガをすると異常に身体が変形したりとかなり気味の悪い描写も出てくるが、どこかコミカルな味付けになっている。

マックス役は故アントン・イェルチン。エヴリン役はアシュリー・グリーン、オリヴィア役はアレクサンドラ・ダダリオだ。スレンダーな美人アシュリーをエヴリン役に、肉感的なボディで可愛いアレクサンドラをオリヴィア役にしたのはナイス・キャスティングだと思う。

ストーリーのキーマンを下品で女好きのトラヴィスにしたのがアクセントになっていてラストも予想通りでニンマリだ。ちなみにオリジナルタイトルは「Burying the EX」で訳すと「元カノを埋めろ」だ。このタイトルが何故「ゾンビ・ガール」になるのかセンスを疑う。

とにかく90分がアッと言う間のサクサク感なので暇つぶしにはもって来いの作品だ。その分ライト過ぎて物足りないとかこじんまりし過ぎてツマラナイと感じる人もいると思う。しかし故アントン・イェルチンの元気な姿が観られるだけでも価値がある作品だ。