2016-11-05

CURVE サバイバル・ドライブ


2014年製作のアメリカ映画。サブタイトルにドライブの文字があるがどちらかと言うと車内を舞台にした密室系のサスペンスだ。

ストーリー
2週間後に迫った結婚式のためロスから婚約者のいるデンバーへ車で向かうマロリー。マリッジブルーなのか高速道路を使わず脇道を通ってわざと遠まわりする彼女だが、運悪く辺鄙な場所で車が故障し立ち往生してしまう。

そこへ偶然通りかかったクリスチャンと名乗る男に車を修理して貰いマロリーはお礼がてら彼を途中まで同乗させることに。しかし穏やかだった男の態度が一変して彼女をナイフで脅し近くの廃屋になったモーテルに連れ込もうとする。

彼女は男がシートベルトをしていない事に気付きスピードを出して急カーブに突っ込むが運転を誤って崖下に転落してしまう。逆さまになった車の中に左足を挟まれて閉じ込められた彼女に反し男は外に投げ出され軽症で助かる。

助けを求める彼女に対して男は「自力で脱出してみろ」と言い捨て笑いながら立ち去っていく。食料・水も乏しい状況で生き残るためにマロリーの必死のサバイバルが始まる。

レビュー
ストーリーに書いた内容は作品の前半部分となっていて早い時点でヒロインの「車中からの脱出」サバイバルが開始する。食料が尽きて野ネズミを焼いて食べたり自分の小水をペットボトルに入れて飲んだりと割と強烈な描写がある。

そして何より鬱陶しいのがクリスチャンだ。1日おき位にマロリーの様子を見に来て特に暴行はせず言葉でいたぶりヘラヘラしながら去って行く。「これで自分の足を切れ」とばかりにノコギリを置いて行く完全なサディストだ。

中盤は硬直状態が続きだれるが後半に入ると急に新たな展開になりテンポもアップして面白くなる。強靭な精神力を持つマロリーと益々異常者ぶりがエスカレートするクリスチャンが対決するクライマックスが用意されているのだ。

マロリー役はカントリーシンガーでもある美人女優のジュリアン・ハフ。クリスチャン役はテデイ・シアーズと言う俳優で最初はナイスガイ感全開なのに突然豹変するくだりの演技力はなかなかのものだった。

若干説明不足と感じる部分がありメリハリの無い印象を与える点が残念だ。特に後半の展開が足早過ぎてアンバランスだった。しかし異常者がヒロインを追い詰めるサバイバル系サスペンスに新機軸を盛り込んだ点は評価できる。