2015-04-10
ザ・アブノーマル
2011年製作のフィリッピン映画。ジャケット写真を観ると監禁物の印象を受けるが実際は心霊サスペンスだ。
ストーリー
PART①:3人の高校生が深夜車でドライブに出掛け人気のない1本道に迷い込む。そこで全身に火傷を負った女の霊に遭遇し2人が死に1人の少女が行方不明になる。
PART②:姉妹が一本道を走行中に車が故障してしまい通りががった青年に助けを求める。道の側にある一軒屋に案内された二人はいきなり暴行を受け監禁されてしまう。妹は撲殺されて埋められ逃げようとした姉は車で追ってきた青年に捕まる。青年が運転を誤って車が木に激突し姉は燃える車内に一人閉じ込められて焼死する。
PART③:一本道の側にある一軒屋に10代の少年とその両親が住んでいた。母親は少年を毎日虐待し夫を馬鹿にして平然と浮気をするような女だ。ある日夫は妻を殺害して庭に埋め首を吊って自殺する。少年の心は完全に病んでしまい死んだ母親の霊が見えるようになる。
レビュー
この作品はストーリーを10年毎に3つのパートに分けてPART①(2008年)・PART②(1998年)・PART③(1988年)と時間を遡って描写しているのが特徴だ。
PART②と③に出てくる青年と少年は同一人物だという事が分かると思う。心を病んだ少年が成長し10年後に通りがかった姉妹を惨殺する訳だ。そしてPART③の後に最終章としてPART①の続きが描かれるが、行方不明だった少女が廃屋で発見され彼女には10年前に惨殺された妹の霊が憑依していた。
そして現在の青年の姿を関係者の中に見つけて指差すのだが、PART②からPART①までの10年間の青年の変化は当然描かれていないので、現在の姿は意外な人物だったというオチが付いている。残念なのは青年と現在の姿とのギャップが大きすぎて不自然さを感じる点だ。
このあたりを上手く処理すれば文句のない作品になっていたと思う。しかし心霊とサスペンスをミックスした面白い設定の作品なので細かい部分を気にせずに観ると充分楽しめると思う。
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