２０１２年製作のスペイン製映画。よみがえり少女という邦題から心霊ホラーを想像させるが純粋なサスペンス作品だ。
ストーリー
ある日小学校教師ダニエルの元へ幼馴染みのマリオが訪ねて来る。彼らが少年の頃ダニエルの父がマリオの母と再婚する事になり、マリオと妹のクララはダニエルとひと夏を一緒に過ごした。その時にクララが墓地の墓穴に落ち生き埋めになって死ぬ事故が起きたのだ。
事故が原因でダニエルの父はマリオの母と再婚せずそれ以来二人は会っていない。突然訪ねてきたマリオは自分の娘フリアに会って欲しいとダニエルに懇願する。ダニエルに断られたマリオは自殺してしまいダニエルの妻ラウラの強い希望で一時フリアを預かる事になる。
何故かフリアは死んだクララが歌っていた童謡を口ずさみ、ダニエルに「あなたの事は前から知っている」と敵意も露わにして言うのだった。昔の忌まわしい記憶が蘇りダニエルは徐々に精神的に追いつめられて行くのだが･･･。
レビュー
脚本自体は良く出来ていると思う。しかし全般に起伏に乏しく淡白でかなり小じんまりした作品だと感じた。演出も悪くは無いがインパクトに欠けると言うか印象に残る場面が少ない。
話のからくりが分かれば当然過ぎて意外性が無いのも魅力不足の原因と言える。また終盤突然現れるある人物の存在をギリギリまで隠しているのはアンフェアだ。その人物が現れた時点でからくりが分かるので仕方ないがサスペンスとしての評価は下げざるを得ない。
スペイン映画独特の落ち着いた映像とクララとフリア役の少女の可愛いさが好印象だったので酷評は避けたいが微妙に残念な作品だった。スペイン映画が好きな人なら試しに観ても損は無いかも知れない。