2015-04-02

ザ・ウーマン 飼育された女


2011年製作のアメリカ映画。ジャック・ケッチャムの原作を映画化した作品で監督は「MAY」のラッキー・マッキーだ。

ストーリー
弁護士のクリスは妻のベラと長女のペギー・次女のダーリン・長男のブライアンと平穏に暮らしている。狩りが趣味のクリスはある日森の中でボロを纏い全身が黒く汚れた野生の女に出くわす。

彼はこの女を捕らえて自宅の地下室に監禁し家族に向かってこの女を飼育すると宣言する。何故か家族は反対することなく女の世話を始めるがある夜クリスが女を陵辱する光景をブライアンが目撃してしまう。

この出来事をきっかけに家族のとんでもない実態が明らかになり一見まともな人間の化けの皮が剥がれて行く。

レビュー
野生の女は実は食人一家の生残りなのだがその詳細はこの作品の前編とも言える「襲撃者の夜」に描かれているため、女の存在理由やその行動の意図が分からなくて少し歯痒いのが残念だ。

女を演じているのはポリヤンナ・マッキントッシュと言う女優さんだがその凶暴で不気味な演技には圧倒される。また捕らわれた時は全身真っ黒に汚れていたが身体を洗われてからの裸体は美しく倒錯した魅力があった。

しかしこの物語の重要人物は実はこの食人女ではなく一見善良で物静かなクリスなのだ。クリスは実は家庭内暴君で皆不安を抱え怯えながら生活していた。そして終盤突如暴走を始めるその姿はキ〇ガイそのものでとんでもない行動を取るので唖然とする。

そして納屋の犬小屋に隠された秘密が明らかになった時そのあまりのおぞましさにこの男こそ鬼畜だと確信した。

ラストには鬼畜VS食人女の壮絶な対決もあり残酷度もいきなりマックス状態でぶっ飛んだラストを迎える。とにかく一度観て欲しいとしか言いようの無い凄い内容の作品だった。