2015-04-25

フローズン・ライター


2011年製作のカナダ映画。エドワード・ファーロングが主演のシチュエーション・スリラーだ。

ストーリー
脚本家のジャックは近年スランプに陥りエージェントから指定の場所に籠って新作を書き上げるよう指示される。そこは田舎の元精肉工場で案内人の女性ペイジによって工場の冷凍庫に軟禁状態にされる。

ジャックは「氷点下」というタイトルで脚本を書き始めるが朝目覚めるとペイジが冷凍庫内で縛られている。そして期限内に脚本を書き上げないと彼女の息子を殺すと言うエージェントのメッセージが残されていた。

ジャックは脚本家志望のペイジと協力して脚本を書き上げようとするのだが・・・。

レビュー
この作品の最大の特徴はジャックが脚本を書く過程で脚本通りの映像が劇中劇という感じで描写される点だ。一応フィルムっぽい画像処理がなされていて最初は現実と脚本の世界とが区別できるようになっているのだが、ストーリーが進むにつれてその境界がどんどん曖昧になっていく。

ついに観ていて現実と脚本世界が入り混じり何がなんだか分からなくなってしまう。現実に見えて実はジャックの空想のように思えるシーンも多々ある。因みに脚本世界の映像ではジャックはフランクという役をペイジはペニーという役を演じている。

また精肉工場の親父役として「サランドラ」で有名なマイケル・ベリーマンが出てきて人間を殺して解体しソーセージにして喰ったりする。かなりの残酷描写もありその点は見応えがあった。

最後に「何、これ」と唖然となるオチもあるのだが既に頭の中は「?」でいっぱいなので解釈不能。この不条理世界と言うか混沌としたストーリーについて行けず気付いたら呆然自失でエンディング・ロールを観ていた。

ファーロング・ファンの人は観ても良いと思うが一般受けするかどうかは微妙な所だろう。映像の雰囲気は悪くないので駄作とまでは言えないが珍作だ。少なくとも何の取り柄も無い駄作と同レベルにするのは酷だと思う。