2015-05-24

ノンフィクション


2003年製作のカナダ映画。アルバトロス配給のオカルト・ホラーで台詞はフランス語だ。ジャケット画はイメージで拷問シーンは出て来ない。

ストーリー
有名なホラー小説家のトマ・ロワが両手の指を自ら切断し飛び降り自殺を図るが一命を取り留める。精神科病棟に入院した彼を担当する事になったラカス医師はロワを取材する雑誌記者から「彼の小説に書かれた事が現実の事件となる」と知らされる。

ラカスは半信半疑ながら調査を始めロワの生い立ちにまつわる恐ろしい出来事を知ってしまう。ラカスは同僚の女性医師の命が危険に晒されていると確信し病院に駆けつける。しかし既に病院内はロワの手によって修羅場と化していた。

レビュー
物語の前半はロワが何故これから起きる事件を事前に知る事ができるのかという謎を解き明かしていくサスペンス・ホラーになっている。ロワは事件の現場へ必ず姿を現しその目で詳細に見た出来事を元に小説を書くのだ。

後半はある神父の登場によって一気に宗教色が強くなる。反キリスト者による信者の大量虐殺が物語の鍵になるのだが突如サスペンスから切り離されてオカルト的な不可解現象の世界へと話が飛躍して行く。

ラカスの同僚女性医師が妊娠していて臨月間近だという設定が最後のオチにすんなりと結びつくなど、細かい部分で詰めの甘さはあるが大筋としては良い脚本だと思った。オカルト映画が好きな人ならそれなりに楽しめそうな佳作だ。