２０１２年製作のアメリカ映画。大富豪がゲームの賞金目当てに集まった人間に殺し合いをさせるサバイバル系サスペンスだ。
ストーリー
重病の弟がいるアイリスは主治医に大富豪のシェパードを紹介される。彼はあるゲームに参加して勝ち抜けば賞金を与え弟のドナーまで紹介すると言うのだ。どうしても弟を救いたいアイリスは思い切ってゲームへの参加を決意する。
シェパードの豪邸に集まったのは８人の男女。テーブルの周りに座った彼らにシェパードはゲームのルールを明かす。それは２つの選択肢から１つを選び必ず実行しなければならない過酷なゲームだった。例えば自分の右側の人間の太ももをアイスピックで刺すか左側の人間をムチで叩くかどちらかを選べと言った内容だ。
拒否すればゲームから脱落し排除すなわち殺される。ゲームの内容はどんどん残酷さを増し隣の人間の選択で命を落とす者も出てくる。最初は人間性を失わず団結して生き残ろうとする参加者だが徐々に生存本能がむき出しとなり凄惨な様相を呈して来る。果たしてアイリスは弟のために勝ち残る事ができるのか･･･。
レビュー
全般にあっさりした展開が特徴でゲーム内容が残酷と言っても直接的な描写は少なく過激さを期待すると失望するだろう。しかしシェパード役のジェフリー・コムズの怪演のお陰でこの映画は駄作にならずに済んでいる。その上品ぶった物言いと嫌味な表情が最高で彼の演技を観るだけでも十分価値がある。
また名優ジョン・ハードが出演しているが初っ端から殺されるので思わず笑ってしまった。「シャークネード」といい最近のジョン・ハードは作品を選ばず手当たり次第出演している感じだ。また残念ながらジョン・ハード氏は２０１７年７月に亡くなった。
最後には予想通りの人物が勝ち残るが相当後味の悪いオチが用意されているので要注意だ。突っ込み所はあるものの全編を通じて丁寧な描写を心がけているのが好印象だった。一度鑑賞しても損は無い佳作だと思う。