2015-05-05

ゾンビ・ホスピタル


2008年製作のアメリカ映画。安直な邦題とチープなジャケット画に内容が心配になるが意外にしっかり作られたホラー映画だ。

ストーリー
自殺未遂で精神病院に収監された妹のリリーを助け出すためジャックは狂人を装って病院に潜入する。一旦は一般病棟でリリーと出会えるのだが直ぐに彼女は隔離病棟に移されてしまう。

ジャックは病院の最上階で何やら得体の知れない薬物実験が行われている実態を知り妹を連れて病院を脱出しようとするが、薬物で凶暴化した患者達に追われ院内を逃げ惑う。迷路のような病院から彼らは無事脱出する事ができるのか・・・。

レビュー
精神病院の院長役にピーター・ストーメアが扮しているが相変わらずアクの強い演技でマッド・サイエンティストを熱演している。彼の開発した新薬は人間の脳から理性を剥ぎ取り本能をむき出しの状態にする作用がある。薬を投与されると凶暴になって人間に噛み付き共食いを始めるようになるのだ。

おまけに薬を投与された患者に接触するとウィルスに感染するように発症し凶暴化してしまう。こうして感染した患者や職員は血肉を求めて走り回り腕を引きちぎったり内臓を引きずり出したりのやりたい放題だ。因みに猫の首を引きちぎって食べてしまうシーンがあるので猫好きの方は要注意。

主人公達は逃げながら主に刃物で感染者を倒して行くのだがこの残酷描写もかなりエグい。ゾンビではない生身の人間なので刃物で充分倒せる訳だ。また院長と女医の変態セックスやジャックを執拗に追ってくる上半身裸の女性患者など別の意味で楽しいシーンもある。

ストーリーはかなりのご都合主義で進行して行くのでつっこみ所は満載だが、そんな事は気にならない程ふっきれたエロ・グロ描写とスピーディな展開が痛快な掘り出しものだった。