2015-09-05

ツイてない男


2007年製作のアメリカ映画。ハチャメチャなストーリー展開と出演俳優の個性的なキャラクターが際立つ作品だ。

ストーリー
泥棒家業のリッチーはオークション会場でのダイヤ強奪に失敗して組織のボスから「次の仕事に失敗したら命は無い」と脅される。そして与えられたのはモスクワにある大企業の巨大ビル最上階に保管されているイワン雷帝の十字架を盗み出して来いと言う仕事だった。

現地で落ち合った組織の仲間・ピーターとユーリ兄弟と共に早速ビルに忍び込み十字架を手に入れるが、逃亡の際エレベーターに同乗した7人の乗客にひょんな事から彼らが泥棒だとバレてしまう。

その時突如エレベーターが停止し途中の階で扉が開いたままになったため乗客を人質にこの階に立て籠もるハメになる。しかしこの階の迷路のような通路は得体の知れない何者かが徘徊している恐ろしい空間だった。

レビュー
オープニングからエレベーターが故障して停止するあたりまではごく普通の展開なのだが、それ以降観る者が唖然とする奇怪な展開へと急ハンドルを切る感じになる。

特に後半はかなりコメディ色が強くなり同時に強烈なスプラッター描写が同居するという面白い構成なのだ。そのストーリーの奇天烈さはとても言葉で簡単に表現できない。

それから主演のスティーブン・ドーフが霞んでしまうくらい強烈な共演者のキャラクターが魅力。中でもすぐぶち切れる仲間のピーターと人質で元特殊部隊にいたと言う警備員・ボリスが最強だった。

他にも聖書を持った無表情な中年女・ソニア、リッチーとほのかな恋が芽生える美女・アンナ、やさ男なのにボリスの影響でランボー化するドミトリなど、どの出演者もキャラが立っていて「この人、誰?」と言う事態にならない。

スプラッター描写は首チョンパ・胴体切断・内臓でろり等盛りだくさんで、特殊メイクのレベルも高くスプラッターマニアも満足すること請け合いだ。そして美女・アンナの胸チラシーンでドキドキする楽しみもある。

ストーリーの奇抜さが好みに合うかどうかで評価が分かれそうだが見事にハマれば目一杯楽しめる珍品だ。