2015-11-23

道化死てるぜ!


2012年製作のアイルランド映画。2012年スペイン・シッチェス映画祭でグランプリを獲得した強烈なスプラッター&コメディホラー(R18+指定)だ。

ストーリー
三流道化師のスティッチズはある家庭の誕生日パーティに呼ばれるが、主役である10歳のトミー少年とその同級生達にさんざんからかわれた挙句、彼らの悪戯が原因で運悪く事故死してしまう。

月日が流れ高校生となったトミーの誕生日パーティが6年ぶりに開かれる事になるのだが、パーティの当日墓の中から蘇ったスティッチズは彼に悪戯をした悪ガキ共への復讐を開始する。

凄惨な方法で次々と惨殺されるトミーの仲間達。トミーはスティッチズの復讐から逃れる事ができるのか・・・。

レビュー
ストーリーは前述した通り分かり易いもので取り立てて独創性はない。演出もややもたつく場面があり映画作法的な部分では平凡な作品だと思う。しかし、何といってもスティッチズのキャラクターとスプラッター描写こそがこの作品最大の見所だ。

スティッチズは三流道化師らしい中途半端ないでたちでカツラなどはコントで被るハゲズラみたいないい加減さ。このアバウトな扮装が彼のキャラクターそのものを象徴していて、かなりオフビートな独特のノリを生み出している。

特に復讐に燃えてる割にはアクの強さが無くて表情や行動が妙にアッサリしているのが面白い。スティッチズ役はロス・ノーブルという役者だが、彼のこの飄々とした演技がこの作品をオリジナリティのある雰囲気にしていると思う。

また、グロ描写はもうやりたい放題といった感じだ。後頭部を缶切で切開して脳みそをスプーンでほじくったり、後頭部から刺した傘の先に眼球がくっ付いていたり、頭部に空気入れを刺して空気を注入し爆発させたりと残酷度も凄いが、スローモーションを駆使してグロシーンをじっくり見せてくれるサービス精神も旺盛だ。

一応スティッチズが復活した方法も説明されていて、続編も作れそうなエンディングもホラー映画のお約束を守っている。コメディ要素もあるがニヤリとする程度の可笑しさなので「どうだ、面白いだろう」的な押し付けがましさは感じない。

ストーリーはともかく強烈なスプラッター描写は期待を裏切らないので、凄いのが観たい!と思ってる人にはお勧めの作品だ。ただし、猫好きの人にはショッキングなシーンがあるのでご注意を。