2015-03-28

隣の家の少女


2007年製作のアメリカ映画。ジャック・ケッチャムの同名小説を基にした映画で相当後味の悪い作品だ。

ストーリー
アメリカの田舎町に住む少年デヴィッドの隣家にニューヨークから姉妹が越してくる。隣家にはルースという中年女性と3人の息子が住んでいて姉妹は事故で両親を亡くしたため叔母であるルースの元に身を寄せて来たのだ。

デヴィッドは姉のメグと仲良くなり淡い恋心を抱くようになるがルースがメグを虐待している事に気付く。ルースの虐待は自分の息子や近所の子供達を意のままに操って行う陰湿で容赦の無いものだった。

虐待はどんどんエスカレートして行きメグは完全な監禁状態になる。デヴィッドは彼女を助ける術が無く苦悩するのだが・・・。

レビュー
まず作品に出てくる子供達がデヴィッドやメグを含め皆10代始めから半ば位の年齢である事が特徴だ。つまり善悪の判断が人に左右されやすく子供特有の残酷さも併せ持った不安定な時期の子供達なのだ。

ルースという女は毎日彼らの道徳心や良心を奪い去り彼女の言いなりになるような言動を繰り返す。完全なキ〇ガイババアで観ていて気分が悪くなる。彼女には性格が捻じ曲がるような過去があったのだろうが映画では一切の説明を省いている。その為にモンスター的印象を与えてしまい人間の業を描ききれていない感じがする。

メグが後半に受ける虐待の数々は観ていられないほど酷い内容だ。そこまでしなければならない理由を知りたいと思うのは当然で、ただのキ〇ガイの仕業では済まない問題だと思う。それは加害者側の子供達もルースの被害者である事が明らかだからだ。所々で彼らが見せる迷いや良心がそれを物語っている。

大人のいかれた言動が子供達から道徳心を奪っていきその犠牲になるのがまた罪も無い子供である事にやるせない思いを感じる。これ程救いの無い映画は久し振りで正直言って二度と観たくない。