2015-03-11

フロンティア


2007年製作のフランス・スイス合作映画。フレンチ・ホラーには「屋敷女」「ハイテンション」「マーターズ」と言った傑作があるがこの作品はそれらに並ぶ傑作だ。

ストーリー
反政府暴動で荒れるパリの街で銀行に押し入ったヤスミン達若者グループが国外へ脱出しようと自動車で逃走する。

疲れた身体を休めようと国境近くのさびれた宿に立ち寄った若者達を待ち受けていたのは狂った宿の家族による恐ろしいもてなしだった。

果たして彼らは生きてこの宿から抜け出す事ができるのか・・・。

レビュー
いわゆる悪魔のいけにえ系と呼べるキ〇ガイ家族が通りがかりの旅人に襲い掛かり殺した上に人肉を食べるという設定。少し捻りが利いているのはこの家族の長がナチスの残党で自分達の純潔を尊び他の人種を家畜扱いにしている点だろうか。

ヤスミン以外の若者達はあっと言う間に犠牲になってしまう。足首をフックに掛けられ逆さづりのまま首を切られたり、蒸気が吹き出る部屋に閉じ込められて顔面が溶けたり、巨大なペンチでアキレス健を切られたあと銃殺されたり、皆悲惨な死に方だ。挙句の果てに食料にされるのだから救われない。

家族内の後継者争いに絡む内輪もめが起きてそのスキにヤスミンは脱出を図る。ここからヤスミンの壮絶な反撃が始まるだ。電動丸ノコギリが身体に食い込み、頭がショット・ガンで吹っ飛び、激しい銃撃戦に大爆発と言った過激な描写が終盤はてんこ盛りだ。

身体にまとわり付くようなねっとりとした独特の恐怖が味わえるフレンチ・ホラーの代表作なのでフレンチ・ホラー未体験の人はぜひ一度鑑賞して欲しい。その異常なテンションに痺れて癖になる可能性が高いので要注意だが。