２０１２年製作のイギリス映画。アルバトロス配給だが割と良くまとまったホラー映画だ。
ストーリー
ロンドンの郊外にある廃墟の高層ビルに深夜男４人女２人の若者達が侵入する。目的は不良仲間から請負った海賊ラジオ放送用のアンテナをビルの最上階に取り付ける仕事のためだ。
アンテナを取り付け終わったとたん持参のクスリと酒でパーティーを始めた彼らだが一人で屋上に上がった女の子が行方不明になる。手分けをして彼女を探す若者達の前に突如得体の知れない男が現れ一人また一人と残虐な方法で彼らを殺害していく。
犯人の罠によって巨大な密室と化したビルから彼らが逃げる術は果たしてあるのか･･･。
レビュー
舞台となる２０階建ての高層ビルがかなり老朽化していて外観も内部の様子も不気味な雰囲気を充分に醸し出している。ＣＧを上手に不自然さなく取り入れており屋上から見た街の夜景との対比やビル全体を俯瞰で見せるなどセンスの良い映像も効果的だった。
残酷描写はかなり多い方だ。犯人は殺害手段として主に刃物を使用するのだが工事現場で使う電動釘打ち機で顔面を撃ったり、ダストシューターに頭から放り込んで２０階分真っ逆さまに落とすと言ったバリエーションの広さも披露してくれる。
また犯人の正体と動機は分かり易いものになっていて終盤で全ての真相が明かさる。犯人はバラバラにした遺体を焼却するのだがその理由も動機から推察する事ができる。
全体に意味不明な描写が少なくかなりフェアーなストーリー展開になっている。テンポも良く映像も凝っているので安心して観られる正統派のホラーだ。