2015-01-25

ディアトロフ・インシデント


2013年製作のアメリカ・イギリス・ロシア合作映画。レニー・ハーリン監督の実話を基にしたSF映画だ。

ストーリー
1959年に旧ソ連で実際に起きた「ディアトロフ峠遭難事件」。

9人の登山家がウラル山脈のディアトロフ峠で遭難し救助隊が発見した遺体は頭を潰されていたり、舌が無かったり、放射線を多量に浴びていた未だに原因未解決の事件だ。

この事件を調査しようと5人の学生が撮影機材を持ってディアトロフ峠へ向かうが彼らも同様に遭難してしまう。いったい彼らの身に何が起きたのか・・・。

レビュー
前半は学生達が峠に着くまでの様子をPOVで淡々と描いている。異常現象が少しずつ起き始め中盤で彼らが雪崩れに巻き込まれた後話が急展開し予想を超えた方向へと突き進む。

旧ソ連軍が造ったと思われる地下の洞窟と研究施設、不気味な姿をした瞬間移動が可能なクリーチャー達。話はSFへと一気に舵を切り呆然とするラストへ一直線に転がって行く。

未解決事件の謎を独自の解釈で解きほぐし米国で起きたとされるフィラデルフィア事件を絡めて、SFチックな結論を導き出したレニー・ハーリン監督の着想はなかなか面白いと感心した。

あまりに突飛な結末に「くだらない」とそっぽを向く人も多そうだが、レニー・ハーリン監督のファンなら彼の頑張りを評価したくなる隠れた逸品だと思う。