2015-01-23

クライヴ・バーカー 血の本


2009年製作のアメリカ映画。原作はイギリスの小説家クライヴ・バーカーの「血の本」でプロローグ+エピローグ部分を映像化している。アルバトロス配給ながら堅実に作られた佳作だ。

ストーリー
心霊研究家のメアリー博士はアシスタント兼技師のレッジと若い霊能者サイモンの3人で、若い女性が悲惨な死を遂げたトーリントン屋敷に出向き心霊現象の調査を行う。

不可解な超常現象が次々とカメラに捉えられついにサイモンの身体に異変が起こり始める。皮膚が裂けてその裂け目が血で刻まれた文字になって行くのだ。

女性が惨死した部屋には死者が進む道の交差点が存在した。その場所は現世と死後の世界との接点でそこに立つ者に彼らは話し掛けて来るのだ。死者の言葉を聞く力を持つサイモンの皮膚に書かれる彼らの物語とは・・・。

レビュー
強烈なグロ描写は若い女性が生きながら顔の皮を剥がれる冒頭のシーンくらいだ。残酷系ホラーファンには物足りないと思うが心霊ホラーが好きな人なら霊の大群も出て来るので十分楽しめるだろう。

意外な見所は熟女のメアリーが若いサイモンに惹かれてしまいヌードを披露するラブシーンだ。メアリー役のソフィー・ウォードはスレンダーな女優さんでラブシーンにも清楚なエロチシズムが漂っている。

最後にはメアリーの豹変、サイモンの運命などちゃんと捻られたオチもある。映像も落ち着いた格調高い物でクライヴ・バーカー独特の世界観を上手く表現していると思う。かなりお勧めの作品だ。