2015-02-21

機械じかけの小児病棟


2005年製作のスペイン映画。監督はこの2年後に「REC」で一躍有名となるジャウマ・バラゲロ。イギリスを舞台にした台詞が全編英語の作品だ。

ストーリー
離島にある閉鎖寸前の小児病院へ臨時の夜勤看護師として採用されたエイミーはすぐに重病患者のマギーという少女と仲良くなる。マギーは30年以上前に閉鎖された病院の2階にシャーロットという機械の少女がいると不思議な事を言うのだ。

実はこの病院ではエイミーが来る直前夜中に突然少年の足が骨折するという怪現象が起きていた。その後もエイミーの前任看護師が交通事故で急死したり職員が窓から墜落して死亡したりと不可解な出来事が続く。

病院の2階からは夜中頻繁に異音が聞こえエイミーはそこで下半身に金属製のギブスを付けた不気味な影を見る。影の正体は本当に機械の少女シャーロットなのか・・・。

レビュー
スペイン映画には秀作が多いがこの作品も間違いなくその1本だ。老朽化した病院が醸し出す異様な雰囲気と緊張感が持続する演出が素晴らしく98分間画面を食い入るように観た。

そして終盤にシャーロットの謎が解けた時は驚嘆して思わず唸ってしまった。正にミスディレクションの妙と言える大どんでん返しに目眩を覚えた程だ。

またこの作品はエイミーとマギーの信頼と愛情を描いた哀しいドラマでもある。特にラストシーンでは目頭が熱くなった。ホラー・サスペンス・ドラマの要素を巧みにブレンドした完成度の高い秀作だ。